せっかいかじょうひしゅ

石灰化上皮腫

最終更新日:
2024年05月10日
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2024/05/10
更新しました
2019/02/28
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概要

石灰化上皮腫は良性腫瘍(りょうせいしゅよう)の一種で、皮膚の一部に石のように硬いしこりができる病気です。明確な原因は不明ですが、毛穴に存在する毛母細胞から発生することから毛母腫と呼ばれることもあります。

石灰化上皮腫は比較的若年者、特に小児のまぶたなどの顔や首、腕などに多くみられます。また、男性と比較してやや女性に多い傾向があります。

通常、痛みなどの症状はなく、皮膚の下に硬いしこりが触れることで気付く場合が多いとされています。ただし、なかにはかゆみや圧痛(押すと出る痛み)を伴うものもあるほか、しこりを触っても動かないものもあるため、悪性腫瘍との区別がつきにくい場合があります。

石灰化上皮腫が自然に消失することはまれで、多くの場合は徐々に大きくなるため、治療は主に外科的手術による切除が考慮されます。手術では腫瘍を切除するとともに、摘出した組織を顕微鏡で詳しく調べることで確定診断を行います。

原因

石灰化上皮腫は、毛穴に存在する毛母細胞から発生する腫瘍であると考えられます。しかし、明確な発症原因は現時点で解明されていません。

症状

石灰化上皮腫では、皮膚のすぐ下に石のように硬いしこりが生じます。触れてもほとんど動くことのない悪性腫瘍と異なり、石灰化上皮腫は触れるとよく動くのが特徴です。

腫瘍部分の皮膚は、正常な皮膚と同じ色調を示す場合が多いとされています。ただし、腫瘍が大きくなり皮膚が薄くなると、黄白色や青黒い色調に見えたり、水膨れができたりすることがあります。

しこりが触れる以外には無症状であることが多いものの、かゆみを伴ったり腫瘍を押すことで痛みを自覚したりすることがあります。さらに、細菌感染などにより炎症が生じると、かゆみや痛みが強くなるほか、腫瘍部分の皮膚が破れることもあります。

腫瘍は徐々に大きくなることが多く、自然に消失することはまれです。また、触れても動きにくいものや大きいもの、皮膚の表面が破れているものなどは悪性腫瘍との鑑別がつきにくい場合があります。

検査・診断

石灰化上皮腫は、症状からある程度推測して診断することが可能です。

ただし、より確実な診断や類似の症状がみられるほかの腫瘍と鑑別するために、超音波検査(エコー検査)やX線検査を行う場合があります。このほか、腫瘍が生じた部位によってはCTやMRI検査を行い、周辺の組織との位置関係などを確認するケースもあります。

なお、確定診断のためには治療として腫瘍を切除した後、摘出した腫瘍の組織を顕微鏡で詳しく調べる“病理組織学的検査”が必要です。

治療

治療では、主に外科的手術が考慮されます。

石灰化上皮腫は、急激に大きくなることは少ないものの、自然に消失することはまれであり、塗り薬や飲み薬による治療やレーザー治療での改善は期待できません。また、細菌感染に伴い炎症を起こすケースや、悪性腫瘍である可能性も懸念されます。そのため、腫瘍を摘出し、確定診断のために摘出した腫瘍組織の病理学的検査を行います。

外科的手術

外科的手術では、腫瘍の摘出術が行われます。

腫瘍の大きさによって異なるものの、一般的に小学校高学年以上の年齢では局所麻酔下での日帰り手術が考慮されます。一方、腫瘍が大きい場合や年少児の場合には、全身麻酔下での手術が考慮されます。

腫瘍が摘出できた場合には治癒が期待できるものの、完全に摘出できなかった場合はまれに再発のリスクがあります。このような場合には再手術を行い、腫瘍を完全に摘出できれば完治が期待できます。

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